私はミラーレスカメラ用のマイク選びに、すでに1年ほど費やしています。そして選んだマイクが今回購入した「Comica TraxShot」です。
なぜ「Comica TraxShot」を選んだか
まずなぜこのマイクを選んだのか、その理由について述べたいと思います。結論から言うと「あらゆる場面で」使うことができるマイクだからです。ご存知のようにマイクには様々な種類があり、その種類によって得手不得手があります。例えば「無指向性(つまり全指向性)のマイク」であるなら、あらゆる方向の音を録ることができるので、真ん中に置いて会議の様子を録音したり、環境音を拾ったりするのに有利です。
「単一指向性のマイク」であるなら、程よくある方向からの音も拾うので、周囲の音を少し入れながら、目的となる音源や人の声を録るのに適しています。「超指向性のマイク」であるなら、ほとんど周りの音を拾わず、狙った音源だけを効果的に収音することができます。ですからある程度離れた距離にいる人の声を収録したいときに使うことができます。双方向性のマイク」は対面で喋ると時にマイクをひっくり返す必要がないので便利です。これら指向性だけでなく、「ステレオで録るのか」、「モノラルで録るのか」によっても使いどころが変わってきます。人の声を中心に録るなら、明瞭な発音を聞き取ることができるようにモノラルのマイクが良いでしょう。コンサート会場のように様々な楽器や周囲の雰囲気や臨場感を伝えたいなら、ステレオ収録したほうが有利です。
こうして様々な場面を想定すると、マイクを用途によって何本も買わなければならなくなります。そこで登場するのが今回購入した「Comica TraxShot」です。「Comica TraxShot」はこれまで出てきたすべての特性を持ち合わせたマイクです。ご覧のようにTraxShotは超指向性のマイクが2本取り付けられていて、その角度を変化させることができます。この角度によってマイクの指向性を変えて、目的に応じた収音をすることができます。
改善点
使ってみていくつかの改善点が見つかりました。改善点を3つだけ挙げたいと思います。
- 「マイク部分が長方形なのは音響的にあまり良くない」
やはり並行する面がある以上、音がどこかで定在するおそれがあり、実際にその症状が出ています。
例えば、高音部に癖があり、音が若干硬めに聞こえます。 イコライザーで何とかなるレベルですが、マイク部分が長方形になっているので、恐らくどこかで定在波が発生していると考えられます。 - 「マイクの角度を変えても、設定は自動的に変わらない」
これはこのマイクを購入した多くの方が指摘していました。手動でマイクを動かした後、背面ボタンでその設定をする必要があります。角度を自動的に読み取ってくれるとさらに便利かもしれません。 - 「ウィンドジャマーが付けずらい」
ちょっとつけようと思っても、最後の押し込む部分がなかなか入らず、しかも外れやすいです。慣れの問題かもしれませんが、もう少し気軽に付けられるようにできると良いかもしれません。
それでもこのマイクを購入した価値はあったと思います。音質は最高とは言えませんが、ノイズに強く用途に合わせた録り方ができる良いマイクだと思います。高音部の音の癖ももしかしたらファームウェアのバージョンアップで直るかもしれません。