サイトアイコン 酒井 誠・ギタリスト Makoto Sakai

15.【番外編】ラインアレイ・スピーカーの製作2(塩ビ管を使って、16連スピーカーを実装)

前回は、ラインアレイスピーカーの特徴とを紹介しましたが、今回スピーカーが大雑把ですが完成しました。高さ約2m、16個のスピーカーを搭載したラインアレイスピーカーです。持ち運びを考慮して、3部からなる組み立て式にしました。

まずは、外見

16個のスピーカーの配線をし、手持ちのアンプとミキサーに繋いで見ました。

中央部が、バスレフの土台、中間部と上部を連結して出来上がりです。
すべて連結すると長いです。

塩ビ管を利用すれば製作も簡単ですし、ポータブルにちょうど良いです。連結して組み立てるのが楽です。

ラインアレイスピーカー(自作)の音

音はなかなか良いです。製作当初は、BOSEのオプションと同様に大型のサブウーハーをつける必要があるかと思いましたが、自然な低音が出るので、このままで何とかなりそうです。音はとても自然で、アコースティックな音が十分再現されます。逆に言えば、自分で陶酔するような低音ズドーン、高音キーンという音ではありません。物足りないような感じがしますが、本当に良い音というのは、こういうあまり飾らない自然な音であることは、ギター歴の長い方にはお分かりいただけると思います。 そして何よりも、スピーカーのリスニングポイントを選ばないという特徴がよいです。

音場について

通常の2チャンネルスピーカーの音場は左図のようになりますが、ラインアレイスピーカーは右図のようになります。実際に聞いた音も非常に広範囲をカバーできます。 【上から見たリスニング・エリア】

【横から見たリスニングエリア】
通常の点音源スピカーの場合、音が点から広がってゆくために、減衰が激しく、前と後ろでは、音色に大きな差が出ます。さらにスピーカの前後だけでなく、上下にもかなり音量・音質の違いがあります。

ラインアレイは線音源となり、会場の広いエリアに同程度の音質を届けることができます。

実際に音を聞いてみると、理論どおりの音場を形成していることが実感できます。
まだ、広い会場で試したことは無いですが、アコギ用のスピーカーに向いていると思います。爆音で出すようなスピーカーではないですが、より自然に、スピーカーの存在感を感じさせずに出せるのは良いと思います。ハウリングにも強く、リバーブをかけると通常なら会場の反響も考慮して試行錯誤をしなければなりませんが、ラインアレイならば会場の反響をそれほど受けずに、リバーブのサンプリングを忠実に再現してくれます。本当にこんな小さなスピーカーから出ているのかと思うほど音が遠くにとどいてゆきます。あとは手作り感満載の見た目を何とかしたいですが、あまり拘らないほうなので、黒く塗って、スピーカー保護のためのネットをかけるぐらいになると思います。
次回は、パワーアンプを自作したいと思っています。中でもデジタルアンプ(D級アンプ)に注目しています。すでに小音量のものはキットで作って試したのですが、低音がパワフルに出て、アナログアンプとは一味違うレスポンスの良い音です。ダイナミックレンジが広く、アンプ自体の発熱が少ないです。、ラインアレイスピーカーのように多数のスピーカーを連結して出すためには、高いドライブ能力が求められますが、デジタルアンプは適しているように感じました。
その後、マルツからキットを購入して作り始めたのですが、電源を入れたとたん、FETアレイが壊れてしまったらしく、次回に見送りです。

 

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