インストルメンタル系アコギ弾きから絶大な支持を得ているリバーブといえば、LexiconのLXP-1ではないでしょうか。今回USA製とCHINA製の両方を入手して、その違いを調べてみました。よくUSAのほうが音が太く良いという評価を得ているようですが、その真意を確かめてみました。
まずは外観
下記の写真の上がアメリカ製、下が中国製です。外観的にはUSAのほうが文字がくっきりしていますが、青色のカラー部分の鮮やかさがありません。中国版は文字が少しはっきりしない印刷ですが、カラー部分は非常に鮮やかです。
内部構造
では分解して内部を見てみましょう。左が中国、右がアメリカです。レイアウトはほとんど同じで、配線も全く同じと言って良いと思います。
入出力部分のコンデンサーです。いずれも10μF程度の電解コンデンサーが使われていますが、種類が全く違います。中国はよく見かける汎用の電解コンデンサーのようですが、USAは灰色の少しレトロっぽいコンデンサーが使われていて大きさも一回り大きいです。
下の写真は、コントロール部分のカップリングコンデンサーとオペアンプを写したところです。ここでもやはりコンデンサーの種類が違っているのが分かります。抵抗器の種類も若干異なっています。
次にリバーブを処理する演算チップ周りを見てみましょう。まずロムとそのバージョンですが、手持ちのものはどちらもV1.06でした。
リバーブを実際に処理している部分だと思われますが、刻印を見る限りは同じものが使われているようです。
サンプル音
両方のサンプルを録ってみました。 使用ギターはBaden D-Style ローズウッドモデル。弦は1ヶ月ほど張りっぱなしのエリクサーライトゲージです。 今回使用したピックアップはTSピックアップシステム3Lで、マグネットはSUNRISEを使用しました。システム3Lのボリュームはすべて100%です。ギターから直にLXP-1に入れてサンプルを録りましたので参考にしてください。曲は倫典さんのCity of Tokyo(Capo2)の最初の部分です。 Lexicon LXP-1のつまみはこのページの最初の写真にある位置で統一しました。 LXP-1(USA版)の音
LXP-1(CHINA版)の音
みなさんはどちらが好みでしょうか。わずかではありますが、USAのほうが高音部が少し削られ、太く聞こえます。CHINAは高音がすっきり出ていて繊細な音がしますね。結論からいうとそれほど大きなちがいはありませんが、若干USAのほうが説得力のある音だと思います。 この音の違いはコンデンサーの違いに起因すると思われます。経年変化による周波数特性の変化が高音部に影響を及ぼし、音の違いを作っているのではないでしょうか。 あと良く聞くと低音の出具合もなぜがUSAのほうが元気よく出ています。