高出力のプリアンプ内蔵のTSピックアップだからこそできる高品位リバーブのかけ方をご紹介します。
エフェクターの繋ぎ方。
エレキギターを弾かれる方にとってはお馴染みかもしれませんが、エフェクターを繋ぐ方法にはシリーズ接続とパラレル接続の二つがあります。 ■シリーズ接続(直列接続) ギターから一方方向に信号が流れてゆきます。音はエフェクターを通る音に依存します。
ほとんどのリバーブが、原音(DRY)とリバーブ音(WET)の割合が設定できますので、この方法でも問題ないと思われますが、実際に音を出してみると、リバーブを深く掛けると音が遠ざかって輪郭がはっきりしなくなります。
この写真はPCM-91のWETとDRYのミックスバランスです。 ■パラレル接続(並列接続) ギターからの送れる音を分岐して、エフェクターに送り、もう一度戻してPAやスピーカに送ります。この方法なら、ギターの音はそのまま聴こえますし、リバーブを深く掛けても音の輪郭が損なわれません。通常空間系エフェクターを使う場合はこの方法が良いでしょう。しかしエフェクターの入力と出力がループしてしまうので直結はできません。
ループを回避して、音の逆戻りを避けるために、信号を分岐させるスプリッターと、もう一度混ぜるためのミキサーが必要になります。こうすればエフェクターの音がもう一度エフェクターに戻ってそれを繰り返す事態を防ぐことができます。この機能を備えたプリアンプやミキサーがありますからそれを使うのも良いでしょう。
このようにすれば、リバーブ音が再び逆戻りすることも無く、ギターの音もそのまま出力されます。しかし機材が大掛かりになり、どんな機材でも多少の音の劣化があります。特にボリュームを通したときの音痩せや劣化はすぐに分かるぐらい音質に影響を与えます。余分な機能を排除した専用機材は高価です。 TSピックアップが出力が大きいことを利用して、パッシブ回路でこの部分だけを製作してみましょう。 いろいろ抵抗値を変えて試した結果以下のような回路でいい感じにリバーブがかかります。 (すみません、手抜きで手書きです)
リバーブの方はWET100%にしておき、必要に応じて入力や出力レベルでリバーブのかかり具合を変更できます。またリバーブを切れば通常のDRYだけになります。レベルを調整する必要がないのであれば、INのボリュームは不要ですし、ないほうが音質的には有利です。 パッシブ回路で済ませたい場合、これで充分リバーブと混ぜて良い音が出ます。しかし、パッシブであるがゆえに欠点もあります。リターンで帰ってきたリバーブが若干ですが抵抗を介してSENDに逆戻りしてしまいます。よく聞かないと分かりませんが、音が濁りますし、深くかけたときにフィードバックを起こす可能性があります。 より完成度の高い音を作るために、オペアンプを使ったアクティブミキサー回路も考えてみました。