前回は必要なクリップを揃えて、それをクリッピングして並べるところまでやりました。次は出来上がった動画に「ズームとパン」や「タイトル」で少しだけ見栄えを良くしていきます。
「ダイナミックズーム」で見栄えを良くする
動画や静止画を「ズーム」や「パン」で変化を与えて見栄えを良くします。写真や動画をズームやパンするために「ダイナミックズーム」を使います。
今回は写真のズームやパンをしてみます。まずエディット画面のタイムラインからズームしたい写真を選択します。
右上のインスペクタの「ダイナミックズーム」で写真や動画を自動的にズームすることができます。やり方は簡単です。基本的に「ダイナミックズーム」をオンにするだけです。初期状態では徐々にズームアウトしていきます。さらに反転をクリックするとズームインに切り替わります。これだけでいい感じに見せてくれます。
細かい操作を覚えるよりも「ダイナミックズーム」という機能があることを覚えておけば大丈夫でしょう。そして操作のコツは、
ダイナミックズームはインスペクタで有効にする
ということです。
しかしデフォルトのままですと、全体から中央にかけてズームするだけです。「ダイナミックズーム」はさらに細かい設定をすることもできます。
細かな設定をするときにはタイムラインの左上から「ダイナミックズーム」を選びビューア上で行います。
ここから「ダイナミックズーム」を選ぶと、タイムラインビューアに四角い枠が表示されます。緑の枠はズームの開始時のフレーム、赤の枠はズームの終了のフレームを表しています。写真の状態は緑が太く表示されていますが、これは緑がアクティブで編集状態にあるということです。
この枠の位置や大きさを変更することで、ズームの位置や焦点を変えることができます。
細かい設定はタイムラインの「ダイナミックズーム」から
また枠を左右や上下に配置することによってクリップをパンさせることも可能です。
タイトルを使って見栄えをよくする
クリップにタイトルを入れてみます。DaVinci Resolve 16には予めタイトルエフェクトが用意されているので今回はそれを利用します。
タイムラインの左側のツールボックスから「タイトル」を選びます。その中の「Fusionタイトル」から「Title Rise Fade」をタイムラインにドラックして追加します。
追加したタイトルはインスペクタからカスタマイズできます。入れる文字や色をカスタマイズしておきましょう。
様々な「Fusionタイトル」が準備されていますので、以前作成したサンプルを掲載しておきます。
この他にも様々なテキストの入れ方をすることができますが、文字に変化を持たせたいときは「TEXT+」を使います。以下以前の記事からの引用です。
DaVinci Resolveでテキストを入力するツールは2つあります。「テキスト」と「Text+」です。
このうち通常の説明文以外の文字の装飾は「Text+」を使ったほうが便利です。縁取り文字を作るにしても、「Text+」ならば文字の外側に太らせることができますし、いくつもの装飾を組み合わせて表現することができるようになっているからです。
それでは使っていきましょう。「エディット」ページからの「Text+」をタイムラインにドラッグ&ドロップして追加します。
右上のウィンドウ(インスペクタ)で文やフォントを指定して、Shadingタブをクリックします。ここで文字の装飾を加えていきます。Shadin Elementsには「Select Element」として1~8のレイヤがあり、それぞれのElementを選んでその右側の「Enabled」をチェックすることによりそのレイヤが適用されるようになります。
「Select Element」の1~4はデフォルトでは次のような状態になっていますので、適時変更して望んでいる文字の効果に仕上げます。
- 白い文字
基本的な文字の色です。最初はこの1だけ「Enabled」になっていて、あとの2~8は適用されていません。
- 赤い縁取り
1と2を適用した状態
- 黒の影付き
背景が黒なので分かりやすくするために黄色にしています。1~3を適用
- 青い背景
文字の背景領域に色が加わります。
さらに5~8まで下に文字の装飾を加えていくことが可能になっています。
このように「Text+」は文字を装飾する点で文字の属性としてこれらのレイヤを持っているので、様々な文字の装飾ができるだけでなく、それを動かしたり、アニメーションを加えることも簡単です。
「Text+」で作られた文字は「Fusion」画面からアニメーションを加えることができます。
フルスクリーン(全画面)で再生
出来上がった動画を確認するためにフルスクリーンで再生してみます。再生ヘッドをタイムラインの最初に置いて、「ワークスペース」>「ビューアモード」>「シネマビューア」でフルスクリーン(全画面)になります。そこには「P」と書いてありますので、当然キーボードから「P」を押してもフルスクリーンになります。解除するにはエスケープキーを押すか、再生のバーのある一番右のボタンで戻ってきます。全画面表示中はスペースキーを押して再生、ストップさせることができます。
要点は
フルスクリーン(全画面)は「P」
です。
前回の「入門No.01」と今回の「入門No.02」とそれらのバリエーションだけでもかなりのことができると思います。しかしこれらはまだDaVinci Resolveの機能のごく一部です。これからさらに使う機能を解説していきたいと思っています。