サイトアイコン 酒井 誠・ギタリスト Makoto Sakai

29.TSピックアップ・システムの製作工程

開発に何年もかけてきたTSピックアップ・システムの製作工程です。ほとんどが手作業です。
コンタクト・ピエゾ部分

まずは台座となるスプルースを切り出します。様々な材質を試しましたが、ローズウッドなどの硬い木よりも柔らかいスプルースのほうがピエゾが変形しやすく音も拾いやすくなります。多くのコンタクトピエゾは量産のために金属加工だけで済ませていますが、手作りならではの温もりある音がここから始まります。

ピエゾ素子を切ります。丸いままですと固有振動が生じ耳障りな高音が出ますので、試行錯誤の結果です。

ピエゾ素子も大小さまざまなものを試しましたが、大きいものと小さいものの良いところを取るために、切断&2つという結果になりました。このピエゾ素子は大変優秀で、通常のものより薄い素材でできています。ですから鋏で簡単に切ることが可能です。
切断し並列接続されたたピエゾ素子です。

これにシールド線を半田付けします。

全体を熱収縮チューブで覆い、コンタクトピエゾは完成です。

このコンタクトピエゾは、たたいた時に固有振動はほとんどしません、コツコツと鈍い音がするだけです。さらに貼り付け位置によるシビアな音の違いを減らすために2連構造になっており、コンタクトピエゾだけでも「アコギの音そのもの」に仕上がっています。

プリアンプ・ミキサー部分

生基板を適当な大きさに切断しておきます。

自作CNCフライス盤に固定して、基板んを切削し、穴をあけます。

切削し終わった基板です。余分な部分はすべて彫刻刀を使って取り除きます。

この基板に部品を半田付けしてゆきます。

半田付けし終わった基板と部品です。写真は一番簡単なシステム2Lです。

ケースに組み込む

0.6mmのアルミ板ケースにします。作業は切断、折り曲げ、穴あけです。

これに基板を入れ配線すれば完成です。

完成したTSピックアップ・システムです。外付けのプリアンプもいろいろ試しましたが、このシンプルな回路のほうが素直に、アコースティックな音に何も加えず何も取らない音です。

紹介したのはシステム2Lの製作工程です。システム3LはさらにRCAジャックとミキサー回路が加わります。2LVや3LVはさらに細かい作業となります。

ハンドメイドピックアップをぜひお試しください。

 

 

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