音質のためにはボリュームは使わないほうが良いのですが、足元でちょっとミュートしたり、ボリュームをコントリールしたい時があります。エレキ弾きならペダルで良いと思いますが、ペダルでは音量をシビアにコントロールするのが難しいですし、アコギの場合は一旦演奏が始まるとボリュームはほとんど操作しません。
また、ミュートスイッチが付いていて簡単に元のボリュームに復帰できるようなお気軽なものを探していたのですが、市販されているものはなかなかありません。そこで「ミュート&ボリューム」ボックスを自作することにしました。
まず簡単にスケッチで回路図を考えます。
実際の配線図もある程度考えておきます。ボリュームを使わない時を考えてボリューム自体を通さない「トゥルーバイパス」回路搭載です。厳密にはGNDは共通ですが、ボリュームを完全に切り離すので、音の劣化はありません。赤線は信号、黒はGNDの配線です。
TSピックアップシステムはラインレベルなので、ボリュームは10kΩ程度のAカーブが良いでしょう。オルタネイトスイッチは、一回踏むごとにON-OFFが切り替わるものです。2連スイッチによってボリュームの切り離しを簡単にできるようにしました。こうしておけばミュートだけ使うこともできます。
大体のイメージができたら、パーツを揃えます。上記の回路のパーツを購入しました。
それでは、製作入りましょう。まずは穴を開けてパーツを取り付けます。
シールドを繋いでテスト。問題なさそうです。この回路を通すとどの程度音が劣化するのか、サンプルをとってみました。
「TSピックアップシステム>(この回路)>リバーブ>録音機材」という感じで接続しました。音の劣化のテストですので、今回は音圧をパソコンで揃えて聞きやすくしています。
まずは、ボリュームをバイパスした時の音。
ボリュームを入れてフルにした時の音
ボリュームを半分に絞った時の音。 大きさは同程度ですが、実際にはかなり小さな音になっています。
ほとんど劣化は気にならないレベルだと思います。むしろMP3に圧縮した劣化のほうが顕著です。
ということでシールドを抜き差しするときに、足元でミュートできるのはいいですね。オペレーターがいない時にちょっとボリューム調整をしたお時も頼もしい味方になってくれると思います。
【3月16日追記】:ライブで使用しましたところ全く問題ありませんでした。ミュートはギターの差し替えの時便利ですし、音質の劣化は全く感じませんでした。
※このミュート&ボリュームボックスをを受注生産致します。ぜひご利用ください。