Registaxは古いソフトのため処理速度が遅く、大きなサイズの動画を開こうとすると、エラーになったり途中でフリーズしたりします。そこでスタッキングに特化した「Autostakkert」を使えば見事に解決します。ここでは以下の3つのアプリを使用しますので、事前にダウンロード&インストールしておきます。
- XMedia Recode 64bit(動画を変換)
- AutoStakkert(スタッキング)
スタッキングとは複数の画像の良いところを合成し1枚の画像に仕上げることです。
AutoStakkertでは動画の一コマ一コマを画像として扱うので、簡単にスタッキングすることができます。 - RegiStax 6(AutoStakkertでスタッキングしたTIFF画像を強調処理をして見栄えを良くします)
XMedia Recode 64bitでAutoStakkertに読み込める動画に変換する
望遠鏡用のカメラで直接AVIファイルにしたものであればよいのですが、通常デジタルカメラで撮った動画はMP4になっていてそのままではAutostakkertで読めません。いくつか方法はあるのですが、今回はXMedia Recode 64bitでAutostakkertで読むことができるAVIファイルにします。
- 動画ファイルを開く
形式のタブからプロファイルを「カスタム」、形式を「AVI」、出力ストリーム形式を「映像のみ」にします。
- 「映像」タブに移り、コーディックを「Raw video」にする。
- 必要に応じて「クロップ/ビュー」タブから動画の最初の部分と最後の部分を指定して範囲を選んでおきます。
- 「+」をクリックしてリストに追加して「エンコード」します。
これでAutostakkertで読み込むことができるAVIファイルができました。
「Autostakkert」でスタッキングをする
Autostakkertのインターフェイスはとてもシンプルで「Open」、「Analyze」、「Stack」の3つボタンを順番通り押していけば、スタッキングを完了させることができます。
細かな設定の説明はここでは省きますが、重要なのは「Stack」を押す前にアライメントポイントを指定してあげる必要があるということです。
- Open
先ほど書き出したAVIファイルを読み込みます。動画だけでなくFIT, BMP, TIFF, PNG, JPEGの静止画ファイルに対応しています。
次に「Image Stabilization」パネルの設定を行います。画像全体に被写体が広がっている場合は場合は「Surface」を、惑星のように黒い背景に天体が浮かんでいる場合は「Planet (COG)」を選択します。
像の揺らぎが非常に大きくてうまくスタッキングできないような場合は「Improved Tracking」にチェックを入れておきます。
木星や土星、接近時の火星のように15秒角より大きな惑星の場合、「Gradient」を選択します。
一方、金星や水星のように15秒角より小さな惑星の場合、「Edge」を選択します。三日月形の金星のように、一方が太陽に照らされて明瞭な輪郭を見せ、もう一方は陰で輪郭がぼやけている惑星の場合、陰に当たる部分のチェックを外しておきます。 - Analyze
次に「Analyze」ボタンをクリックします。
動画フレームの分析が行われ、品質が良好な順にフレームが並べ替えられます。 - アライメントポイントの設定
スタッキングを行う前に行う必要があります。より効果的なポイントを設定するには手動で時間をかけて設定する必要がありそうです。しかし多くの場合時間はかけられませんので、推奨されていませんが、「Place AP grid」をクリックすることで自動的にアライメントポイントを配置します。もし惑星などを詰めたい場合は手動で時間をかけてアライメントポイントの設定します。
- Stack
パラメーターは特に変更しなくて大丈夫です。「Stack」ボタンを押してスタッキングします。生成されたTIF画像は読み込んだ動画のある場所にフォルダが作られその中に入っています。
1のOpenで読み込んだファイルがImage fileの場合は、Fileメニューから「Save Stack As」を選んで、保存する必要があります。
以上がAutoStakkertでのスタッキングの仕方です。TIF画像を「RegiStax 6」で読み込んで好みに仕上げてみてください。