AZ-GTeは経緯台モードでも星を問題なく自動追従してくれますが、長時間露光で写真を撮影したい時には、日周運動が進んで時に、カメラが地軸に対して傾いてくれないので、被写体が中心から赤道から南に向いていれば右に回転、北に向いていれば左に回転してしまいます。これを防ぐために画角も一緒に傾いてくれる赤道儀モード使うことによって解決します。眼視で観察するだけなら問題ないですが、長時間露光をしたい場合には赤道儀モードを使ったほうが有利です。またPC上の他のアプリケーションを使いたい時にも赤道儀モードは便利です。
方法はAZ−GTiでの赤道儀モードにする方法と全く同じ方法です。AZ-GTeでもファームウェアを最新のものにして、アプリを最新のものを使えば、Wi-Fiに接続したときに「経緯台モード」と「赤道儀モード」を選べるようになります。最新のアプリやファームウェアはSky-Watcherのサイトからダウンロードできます。
【注意】ファームウェアをバージョンアップすると「経緯台モード」にしたときに、上下が逆に動く現象が発生しました。本来は北向きにして望遠鏡の右側にAZ-GTeが来るようにしてからアライメントをするのですが、バージョンアップした場合は逆にしなければなりません。望遠鏡が右側でAZ-GTeを左側にしてアライメントをします。
サイトのトップページから「SUPPORT」>「 SOFTWARE & FIRMWARE」を選びます。
左のメニューから「Motor Controllers」を選び、「Windows program: Motor Controller Firmware Loader – WiFi, Version 1.74」と「Firmware: AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode, Version 3.26」をダウンロードします。このバージョンは2021年1月時点でのものですから、新しいものがあればそれをダウンロードします。ZIPファイルになっているので、右クリックして「すべて展開」を選んで解凍しておきます。これで準備ができました。いよいよバージョンアップ作業です。
2021年09月20日時点では「Windows program: Motor Controller Firmware Loader – WiFi, Version 1.76」と「Firmware: AZGTi Mount, Right Arm, AZ/EQ Dual Mode, Version 3.33」です。
- PCからWi-Fiで「AZ-GTe」に繋ぐ。
- 「MCFirmwareLoader_WiFi.exe」を実行する。
このような警告が出ることがあるので、「詳細情報」を選び「実行する」をクリックします。
- MCFirmwareLoaderが実行できたら「Browse」をクリックして先ほどダウンロードして展開しておいた、ファームウェア「AZGTi_RightArm_AZ_EQ_V0326.mcf」を指定します。
- 「Update」をクリックしてAZ-GTeのファームウェアを更新します。
- 確実にバージョンアップが終わったことを確認して、AZ-GTeの電源を入れなおします。
これで赤道儀モードが使えるようになっているはずです。最新の「SynScan」で接続すると選べるようになっています。
Wi-Fi環境でファームウェアのバージョンアップは危険という情報がありましたが、私の場合PCからWi-Fi環境で問題なくバージョンアップできました。もしかするとAZ-GTeのWi-Fiが途中で切断されると失敗して、最悪の場合AZ-GTeが文鎮化してしまいますので、他のWi-FiをPCが勝手に繋ぎ変えることが無いようにしておく必要があります。バージョンアップ中はAZ-GTeにPCをできるだけ近づけてWi-Fiが切れることが無いようにすると良いかもしれません。
最後にGoogle Playにアップされている「SynScan」や「SynScan Pro」は古いバージョンでAndroid11では動かないようです。最新版をSky-Watcherのサイトからダウンロードしてインストールしましょう。また「SynScan」や「SynScan Pro」は初期のままでは位置情報をGPSから取得できません。アプリに位置情報の取得を許可する必要があります。方法を動画にしましたので参考にしてください。