1.アコースティックギター入門
2020/05/29
ギターには主に大きく分け3種類あります。まず生で演奏することを前提にせず、はじめから電気的な増幅で音を出す「エレキギター」。電気とは無縁に発展し生で音を奏でることを前提に作られた「アコースティックギター」。アコースティックギターにピックアップを最初から内蔵し、電気的な増幅もできるようにした、「エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)」があります。
今回はこの中の「アコースティックギター」の種類や必要なものについて解説します。
アコースティックギターの種類
・鉄弦(スチール弦)を張るもの。
- フラットトップギター
通常最もよく使われているギターです。トップ(表板)が平らなので、このような呼び方をします。通常フォークギターと呼ばれることも多いです。サウンドホールが丸型のものが一般的ですが、一部「f」フォールやタコマ等の変則的なペーズリー型の様なものまであります。 - アーチトップギタートップ
(表板)がアーチ上にカーブしているので、このような呼びい方をします。
サウンドフォールが「f」型のものが多いです。 - リゾネイターギター
リゾネイターとは共鳴板のことで、金属の共鳴板をボディーに埋め込み、金属独特の響きを持たせたギター。ドブロ社のものが有名なので、ドブロギターと呼ばれることも多いです。
・ナイロン弦やガット弦を張るもの。
- ガットギター
ギターの材質によって、クラシックギターとフラメンコギターに分かれますが、基本的にあまり区別せず、ガットギターとかクラシックギターと呼ばれています。元々は羊の腸などで作った細い紐状のものをガットと言うそうですが、現代ではほとんどがナイロン製になっています。ナイロン弦のテンション(張り具合)が弱いので、指が痛くなりにくい。鉄弦に比べて、穏やかで丸い音がします。
ガットギターは、弾き方がほぼ確立されつつありますが、鉄弦のギターは近年、様々な演奏方法が開発されています。こうした特殊な弾き方を楽譜でどのように表現するのか、今のところ一貫していないようです。TSギター教室では、主にこのスチール弦のギターとその可能性について探求してゆきたいと思っています。特殊な演奏方法については後ほど触れたいと思います。
ギターは設計の段階から、材質、ボディの形状、ネックの強度、などを計算しつくされているので、ガットギターに鉄弦を張ったり、逆に鉄弦のギターにナイロン弦を張ることは、望ましいことではありません。
このように、厳密に言うとアコースティックギターは、生音を奏でるギターの総称ではありますが、通常アコースティックギター、及びアコギという場合は、フラットトップギターを暗に指す場合が多いです。
ボディの大きさと形状
これまで、アコースティックギターは様々な大きさや形状が考案され、開発されてきました。以下そのいくつかを紹介します。
- グランドコンサート
比較的小柄なボディサイズで、レスポンスがよく、高音のメロディラインが際立ちます。ボディは小さめですが、スケール(弦長)はドレッドやジャンボと変わらないことが多いので、弦の張りの強さ(テンション)はあまり変わりません。
- オーケストラ
一般にOOO(トリプルオー)やOM(オーエム)と呼ばれることもあり微妙にメーカーごとにサイズが異なります。、一般的なフォークギターでガットギターの形状に近いです。ギターの原型と言えます。
ボディの形状のイメージと、実際の音では違う場合があります。低音がよく出るグランドコンサートタイプや、低音よりも高音の繊細さがあるドレッドノート型もあります。形状はあくまで目安です。
特に形状よりも音質に大きな影響を与えるのは、メーカーの音作りの方針と、それに伴った材の選び方です。これらすべてが自分の好みに合ったとき、自分にとって良いギターとなるでしょう。
ギターの選び方
値段が高ければ良いギターだと短絡的に結論をくださないでください。確かに高価なギターに良いギターが多いかもしれませんが、「自分に合ったギター」はまた別問題です。例えば、ネックの太さボディの形状をとっても、手の小さい人、体の大きい人で、良いギターは変わってくるでしょう。また、ある程度ギターを弾いてきた人であるなら、どんな曲を弾くのかによっても良いギターは変わってきます。ストローク主体なのかフィンガーピッキングなのか、ピックは硬いのか柔らかいのか、爪の形状、弾くときの力の入れ具合など、個人差を上げればきりがありまん。それで、万人向けの良いギターなどは存在しませんから、根気よく自分にあったギターを探すしかないと思います。
とは言え、ギターをあまり弾いたことがない方にとっては、「自分に合ったギター」すら分からないものです。それで最初は経験者に付き添ってもらいアドバイスを受けながら、比較的安価なギターを購入することをお勧めします。練習が進んでいけば、弾き方や好みも確立されて、自分に合う良いギターが分かってきます。単板、合板等は最初は無視して構わないと思います。抱えやすい、ネックが握りやすい、そして音が比較的好みで大きく出るものを選んでいただければよいと思います。
ある程度ギターが弾けるようになったら、とことん自分に合ったこだわりの一本を探しましょう。きっとオール単板で、鳴りの良い味わいのあるギターが分かるようになると思います。コスト的に難しければ、トップのみ単板でさがすのも良いでしょう。
よくギターの選び方は車の選び方に例えられます。軽自動車には軽自動車の良いところがあり、高級車には高級車の良いところがあります。しかし、ギターの良いところは、メンテナンスさえ怠らなければ、数十年は軽く持つということです。長く付き合えますから、値段のことはあまり考えずに、自分に合ったギターを選びましょう。最終的には嗜好、好みの問題になってくると思います。
ギターを弾くにあたって必要なもの
ギターの音を合わせるために必要です。最近は写真のようにギターのヘッドにはさんで、周囲の音にあまり影響を受けずに合わせる事ができるようになりました。音叉よりもチューナーをお勧めします。
- 決意
指が痛い。腕が・・等、ギターは簡単に始められる反面、挫折することも多い楽器です。決意して、練習し続けることが大切です。長く一度に練習するよりも、毎日コツコツやるほうが効果的です。決してギターを置物にしないように決意しましょう。
はっきり言って、決意は重要です。お金では買えません。ギターが弾けるようになる、ギターがうまくなるのに、近道はありませんし、才能もそれほど大きな問題ではありません。練習こそがそのための唯一の方法です。何度くじけても決意して練習を続ければ、楽しい音楽ライフ、ギターライフをエンジョイできるでしょう。
必要に応じて揃えるもの。