2009年04月25日 ヤイリ(K.Yairi) JY-45(2006年製) 富山県のITさん
2020/05/29
富山県のITさんより、TSpickup-Systemの取り付け調整依頼が来ました。今回は2006年製のK.Yairi,JY-45BBSです。システム3の取付ですが、基本的にマグネットなしの構成で音を作ります。今回は調整時のサンプル音を録ってみました。
いつものように、レギュラーチューニングで弾いてみます。中音域のふくよかな音がするギターです。ピックアップの取り付けの時に、この音をよく覚えておき、同じような音が出るように心がけます。デフォルメしてしまうと、アコースティック感が損なわれますので、極力忠実な「生音」を目指します。
まず、あたりをつけたところにピエゾと基板を貼り付け音を出してみます。マグネットを付けていませんので、音的にはシステム2と同様です。いつものようにノンエフェクト、ラインからの音をそのまま録音しました。イコライザーも使っていませんし、ミキサーのトーンコントロールはすべてセンターです。
JY-45+TSピックアップ3の音その1
高音が少し出すぎて、広がりが無い音です。コンデンサーマイクを少し上げて、コンタクトを少し絞ってみます。
JY-45+TSピックアップ3の音その2
低音もかなり出ていますし、高音もなかなか良い感じで出ています。通常このくらい詰めれば良いのですが、あくまで調整は生音に近づけることです。このままでは、このギター本来の中音域の豊かな味わいが出ていないので、コンタクトの位置を幾分ブリッジから離し、ギターの箱鳴り感を拾うようにします。またコンデンサーマイクが低音部を拾いすぎているので、少し絞り、エア感を、コンタクトでもうまく出せるように調整しました。
JY-45+TSピックアップ3の音その3
ちょうどいい感じです。最終的にはコンデンサーマイク30%、コンタクト90%程度に落ち着きました。
今回は依頼ありがとうございました。
【調整するときのコツ】 TSピックアップを購入されたならまずは「生音」を良く聞いてそれに近づけるようにすると良いと思います。かなりの試行錯誤が求められるかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。好みの音をピックアップで作ってしまうよりも、そのギターの音を目指して調整するのが基本だと思います。そして基本的な音は「意外に地味」です。しかしそれこそがアコギの癒される音であり、聞いていて疲れません。また、ここぞというときにレスポンス良く感動的な音を出してくれます。 |