19.貼り付けピエゾの音質向上(システム2L登場!)
2024/08/04
久しぶりのピエゾ部分の大幅バージョンアップです。多くの方々の意見を取り入れ、ピエゾの音質を追求しました。自然な高音部、重厚な低音部、ハウリングに強いこと、各音の分離がよくしかもアコースティック感をそのまま伝えること・・・・。結果、長方形型の3連ピエゾになりました!耳障りな高音や、低音不足を根本的に見直ました。また二つ以上のピエゾを貼り付けた時に発生する位相の問題も一体化することによって解決しました。
マグネット無しで十分の音質!
「マグネットは概観を損なう」「あまりマグネットの音は好きではない」「エレキっぽくなってしまう」という意見がアコギ通の中で時々聞かれます。さらに「ライブ本位立ち上がりの早い音が欲しい」「ハウリングにもさらに強いシステムを作って欲しい」という意見が聞かれました。 基本的にコンデンサーマイクは完璧なエア感のある音を拾っていますが、このエア感が出すぎてもライブ本位のレスポンスの良い音にはなりません。家で音を作っていたときには良い音をしていたのに、ライブ会場によっては高音が出すぎたり、逆に低音が出すぎたりします。これらはいずれもコンデンサーマイクの「エア感」が会場によって変わると考えられます。そこで、貼り付けピエゾをメインに使っても十分な音質が出るように試行錯誤を繰り返した結果、以下のような形になりました。
長方形をしていますが、中にはコンタクトピエゾが3つパラレルで繋がっています。別々に貼り付けると、位相の問題や、貼り付け位置による音の違和感は否めませんでした。そこで、3つのピエゾを一体化し、これをサドルの下あたりに配置すると、貼り付け位置に悩むことなくレスポンスの良い低音から高音まで出すことができるようになしました。アンダーサドル型のように音がつぶれることもありませんし、サドルの幅程度のピエゾなので、弦の音を直接拾うマグネットなしでもデットポイントがほとんどありません。しかも共振周波数の問題をなくすために、通常の円形ピエゾではなく、切断した特別な形のものを3つ使っています。これにより耳障りな高音の共振がほとんど発生しない仕組みにしました。アコギ本来の高音の伸び伸びしとした気持ちよい音がでています。 これをシステム2と組み合わせて、ベーデンに内蔵してみました。以降このシステムを「システム2L」と呼ぶことにします。「2」はコンデンサーマイクとピエゾの2音源であること、「L」はlive本位のレスポンスの良い音であることを示しています。
今回はリバーブのかかりを良くするために貼り付け位置Aにしました。ボリュームはコンデンサーマイク5%、貼り付けピエゾ70%です。貼り付けピエゾのボリュームを上げすぎると高音が目立ちすぎますので、少し下げ気味にすると落ち着いた音が出てきます。70%ぐらいですと、ピエゾだけでも十分という感じの音が出ますが、ほんの少しだけコンデンサーマイクを加えます。立体感と低音がコンデンサーマイクによって加わるか感じです。 では、リバーブ付でラインからの音を録音してみましょう。 ベーデン+TSピックアップシステム2Lの音
このシステムはマグネットなしで音を出したいという方には良いシステムだと思います。このシステムの登場によりシステム2の販売は終了し、システム2Lに移行しますのでよろしくお願いします。 このシステム2Lは現時点(2009年7月)ではお勧めする最もバランスの良いシステムです。ぜひお試しいただければ幸いです。マグネットの選択やピエゾの貼り付け位置に試行錯誤することなく、比較的簡単に取り付けることができます。生徒さんにスピーカーから出る音を生で聞いてもらうと、「生音より良い」という人が続出です。アコースティック・ギター用ピックアップをお探しの方はぜひ試したいただければ幸いです。