Ovation 1117-4にTSピックアップピエゾシステム(アコギ用ピックアップ)を取り付け
東京都Oさんからのご依頼でOvation1117-4にTSピックアップピエゾシステム(アコギ用ピックアップ)を取り付けました。所々に塗装クラックがある年季の入った弾きこまれたOvationです。
Ovationと言えばこれまでのアコギの概念を覆し樹脂製の丸みを帯びたボディを採用し、マイクが主流だった時代に、全面的にアコギにピックアップを搭載してきたメーカーです。
しかし今回依頼されたOvation1117-4は、珍しくアコギ用のピックアップを内蔵していないモデルです。恐らく1980年前後製造されたものです。
ブレーシングはガットギターに近い構造になっていました。
アコギ用ピックアップの取り付け位置
今回は6弦の約30mm上、高音部はボディのクビレの約20mm上にピエゾピックアップを貼り付けました。
弦からの振動はサドルからやナットに伝わり、ネックやトップ材に響いた後、丸みを帯びたボディからの反響がちょうどサドル方向に帰ってくるような構造になっています。この集中的に音を集めるような構造になっているので、ギターの鳴り全体を捉えるには、サドル直下を避けたほうが良いと思います。あえてサドル直下にすると、Ovation独特の潰れた音になります。これは好みによると思いますが、アンダーサドル中心の音作りでは迫力はあってもアコギの繊細な鳴りは再現できないと思われます。
量産のアコギ用ピックアップではできない
貼り付けピエゾで、貼り付け位置を決めるのは大変な作業かもしれしれませんが、こうした音作りは量産のアコギ用ピックアップではできないこととです。
またライブで使用してみて、その経験を活かしながら貼り付け位置を変えられるのも、貼り付けピエゾの良い所でもあります。アコギのピックアップは実に奥が深いですね。
今回はご依頼ありがとうございました。