半鐘
半鐘とは、お寺にあるような大きな鐘ではなく、サイズが約半分の小さ目な鐘のことです。欧米の鐘(ベル)は主に鐘全体を振って中にある錘(「舌」(ぜつ)と呼ばれるそうです)が外側にぶつかる仕組みがほとんどですが、日本の鐘は主に外側に「撞木」(しゅもく)と呼ばれる叩き棒を備えておくものがほとんどです。
江戸時代、火の見櫓(ひのみやぐら)の上部などに取り付け火災・洪水発生時などに鳴らし、地域の消防団を招集するとともに近隣住民に危険を知らせるために半鐘が使われたそうです。
鐘は主に音で人々に時刻やさまざまな合図を伝えるのに用いられて来ました。携帯電話のような通信手段や電気もない時代にこうした大勢の人々に一度に情報を知らせる手段として半鐘は有効な情報伝達方法でした。私の近所にも使われなくなった火の見櫓の上に記念として半鐘が設置されています。
2011年4月27日に「最後まで半鐘を叩き続けた消防団員【岩手・大槌発】」というニュースがありました。津波が押し寄せるのを知りながら、半鐘をたたき続けた大槌町消防団第2分団の越田冨士男さん(57)の遺体が22日、瓦礫(がれき)の下から発見されたそうです。幼馴染の漁船員、鈴木嘉兵衛さん(57)はこのように言っています。「あの時、一帯の電気は消え、サイレンの音も止まった。ゴ~ンという津波の轟(ごう)音の中でカンカンと半鐘の音だけが辺りに響いていた」。
津波の中、響き続けた鐘の音 鳴らした消防団員、不明に(朝日新聞)
日本の古き良き文化であり、現代でも使われている半鐘の響きをギター曲にしてみました。ぜひ弾いてみてください。
半鐘
PDFファイルになっています。